先月、本屋の料理本コーナーでのこと。
「うおお!『Cooking for Geeks』を出版したオイラリー社がまた低温調理の本を出してるよー!」
「しかも『Cooking for Geeks』と同じ翻訳者さんだよー!」
と興奮気味にこの本を手にとりました。
きちんと読んでみたら、なんと投げ込み型の低温調理器を世界で最初に作った会社「Nomiku」の創業者が書いた本!
日本ではAnovaとBoniqが主流なんで、「Nomiku」ってあまりなじみがないかと思いますが、ご存知でしょうか?
今回は「Nomiku」さんについてとこの本のレビューをまとめます♪
「Nomiku」とは?
Anovaが広く知られていてそれを本家だと思っている方も多いのですが(私もその一人)、
実は、世界初の投げ込み式サーキュレーターは「Nomiku」だったんだそう。
Kickstarterという世界最大のクラウドファンディングサイトで人気を集め、レシピアプリやWi-Fi機能を追加するなど進化してきた「Nomiku」。
料理人で愛用している方も多いのですが、「Nomiku」のお値段は5万円近く。
一方で1~2万円と値段帯の低いAnovaなどの製品が出てきたことで、そっちの方が知られるようになっちゃったみたいですね。
(Anovaのプロデュースもうまかったのかもしれません。)
名前は、日本語の「飲み食い」という言葉が由来になっているそうなんですが、日本ではなかなか手に入らないのが残念なところ。
だって「Nomiku」がなければAnovaもBoniqもなかったんですもんね。
でも、この本の最初に「Nomiku」の開発時の頃の話があって面白いです。
また、食材についての小話なんかでところどころ著者リサさんの低温調理に対する愛が伝わってきて、すごくすてきな1冊になっています。
気になる『家庭の低温調理』の本の内容とは?
本当は『Modernist Cuisine』とか『Cooking for Geeks』みたいなのを期待しちゃったんですが、内容としてはほぼレシピです。
目次はこんな感じ。
- 卵
- 魚介類
- 鳥肉
- 豚肉、牛肉など
- 野菜
- デザート
- カクテルと風味抽出液
- 常備品、ソース、調味料
日本ではなじみのない味付けなんかも紹介されていて、かなり面白いです。
中には「おいおいどこで手に入れるんだよ」という材料もありますが、『Modernist Cuisine』ほどではありません(笑)
料理の上級者であれば代用できると思います。
ただ、料理手順の細かい写真もなくてスタイリッシュな完成形の料理写真だけなので、正直初心者には厳しいかもしれません。
が、手順はかなり細かく書いてあるので、普通に料理できる方は問題ないかと思います。
例えば、こんな感じ。
- 「動かさずに1~2分焼きつけると、皮に軽い焼き色が付き、脂が出てくるはずだ」
- 「サーモンを塩水に漬けてから調理するのは(中略)身からアルブミンがしみ出すのを防ぐ意味があります」
- 「袋のまま氷水で40分冷やしてから、冷蔵庫に入れて1週間まで保存できます」
- 「食料品店の中には、骨なしのロース肉にヒレ肉というラベルを付けて売っているところもあります」
「あ、そこまで言ってくれるの?」ってくらい説明してくれてます(笑)
ありがたいですね。
まだ2品くらいしか作れてないんですが、料理の幅がかなり広がった感じします。
クリスマスには鴨肉料理も作ってみたので、またご紹介しようかと思います。