【レビュー】『Modernist Cuisine』日本語版が想像以上だった件について

先月末、ついに『Modernist Cuisine』の日本語版が発売。

そして、我が家にやって来ました。

もう読んだ方もおられますでしょうか?

私は英語版が6巻で約23kgもあったということで多少は覚悟していたんですが、

想像以上にでかくて驚きでした。

↓『Cooking for Geeks』が可愛く思えるサイズです。

本のサイズは、縦34cm×横幅27cm×厚み4cm。

重量約3.1kg。

まだ本屋さんでは見かけたことがないのですが、

まず棚には収まらないだろうな~って感じです。

発売前では、ざっくりとしたことしか分からなかったですが

今回は、実際手にしてみて分かった『Modernisit Cuisine』の魅力をじっくりと説明していきます。

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『Modernist Cuisine』の特徴

ちなみに『Modernist Cuisine』とは

マイクロソフト元CTO(最高技術責任者)のネイサン・ミアボルドや科学者、プロの料理人とのチームでつくられた最先端の科学技術を取り入れた料理本。

詳しくは前回まとめたのでそちらの記事を見てください!

大きく分けて特徴は3つ。

1つ目は、美しく細かすぎる写真。

ページを開けば目に飛び込んでくるのは、色鮮やかな写真たちです。

食材を顕微鏡で見ているような写真や、料理機器の断面図など。

レシピひとつとっても、手順や種類ごとに、まるで雑誌のように写真が配置されていて度肝をぬかれます。

そして、2つ目は実践的で細かい情報!

家庭でも作れるようにするためなのか、専門的な調理器でも、使い方や細かい手順、メリット・デメリットなんかが書かれていました。

あ、ありがたい!

3つ目、なんといってもすごいのはレシピの量!

本のページの2/3以上がレシピで、ここに英語版から厳選された406レシピが載っています。

後で詳細を書きますが、普通のレシピと思うなかれ!

ってな感じで、正直最初から最後までわくわくが止まりません(笑)

目次は以下のとおり。

  1. モダニスト・キッチンに備えておくもの
    • 調理台上の道具
    • 従来の調理器具
    • 真空調理
    • 材料
  2. レシピ
    • 基本となる食品(ストック、ソース、オイルと脂肪、薬味、塩漬けとマリネ)
    • 以降、様々なレシピ

では具体的にどんな内容なのでしょうか?

詳しくみていきましょう。

調理器具や真空調理好きが読むべきはココ!

まず第1部の前半には、基本の道具やホイップ用のサイフォン、食品乾燥器、コンロや圧力鍋、グリルなどの構造や特徴なんかが載っています。

どうやって撮ったんだ?と思うような機器の断面写真をはじめ、料理をさらに格上げするプロの小技なんかも書いてあります。

あいまいにしか理解していなかったことも、これを見れば

「どのように熱が入るからこの部位のお肉には、真空調理とグリルを組み合わせるといい!」

とか

「飾りに使う野菜を色鮮やかに仕上げたいから、〇〇cmにカットして電子レンジを使おう!」

とか詳しく分かるわけです。

低温調理で参考になりそうなのは、第1部の3章目と第2部。

ここでは、どちらかというと実用的な内容が書かれています。

  • 基本的な真空・低温調理の方法
  • 使用する袋の種類
  • 温度に関する基本的なこと
  • 肉の部位ごとの適切な芯温
  • 魚の種類ごとの芯温
  • グリルなどの調理の組み合わせ
  • 温度計の種類による誤差や精度のテスト方法
  • バーナー使用のテクニック

やはり写真をたくさん使ってあって分かりやすいので初めての読み物としては最高です。

空気の抜き方だけでもかなり詳しく、いくつもの方法で何ページにもわたって書いてくれています。

ただ、『Cooking for Geeks』にあったような温度と時間に関する熱伝導率や食中毒菌などの専門的なことはあまり書かれていません。

小難しいことがなくて分かりやすいっちゃ分かりやすいですが、

日本語版にする際に削られちゃったのかな・・・?

実際に料理をつくりたいという方が読むべきはココ!

料理好きが読みべきは第2部のレシピ。

最初にも書きましたが普通のレシピと思うやなかれ!

この本の2/3以上を占める場所には、マニアックなアイディアがびっしり!

具体的には

  • 西洋料理にはかかせない肉や野菜のスープストックレシピ
  • アレンジがきくソースやスパイスレシピ
  • 卵料理、ステーキ、サーモンなどの食材ごとのレシピ
  • 電子レンジや圧力鍋、真空調理など機器ごとのレシピ
  • チーズバーガーやピッツァ、カスタードとパイなどのテーマごとのレシピ

など。

特に見ごたえあるのが、卵料理。

ここだけとっても、

  • 加熱温度による卵の食感や見た目の変化
  • 低温調理器とホイップ用サイフォンを使ったスクランブルエッグ
  • 黄身と白身を分けて低温調理する究極の目玉焼き
  • オムレツの具材のアイディア集

とまぁ、いかにも変態的なレシピばかり。

(ちなみに、これはレシピのタイトルではありません)

他にも、

  • 肉を挽いたりパンを焼くところから、チーズやソース、ケチャップまで変態的にこだわったチーズバーガー
  • 乾燥卵白と乳清たんぱく質分離物を使用したふわふわ泡のミルクシェイク
  • 塩水注射器を使ったパリッとジューシーなチキン
  • チーズの風味を失わないようクエン酸ナトリウムを使用した最高のマカロニチーズ

など。

気になるレシピのオンパレードです。

これは英語版からレシピを絞るの、かなり大変だったろうな…と

編集の方に拍手をせずにはいられません。

まとめ

いかがだったでしょうか?

専門的すぎることはそれほど書かれていませんが、

ちょっと特殊な食材や調理器を家庭料理に取り入れやすいように

具体的な使い方、実用的で応用できるレシピやアイディアなんかをまとめた内容のようですね。

最新技術の調理法をまとめた本はあまりないので

プロが読んでも非常に参考になりそうな本のはず。

まぁ、これから低温調理をするよ~という方には

間違いなく最高の入門書と言えるでしょう。

合わせて『Cooking for Geeks』も手に入れて理解を深めた方がより食中毒対策ができて良いかと思います。

本の中身を写真で撮ってお見せできないのが本当に悔しいですが…。

(著作権があるからね)

是非、気になる方は本屋さんで探すか、買うかしてみてください。

個人的には塩水注射器やホイップ用サイフォン、海外の料理や食材など、視野がかなり広くなったので良かったです。

早速、試せるところから変態レシピをつくってみます~。

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