シンバイオティクスとは?腸科学から学ぶ免疫力の高め方②

つい先日、あなたの体は9割が細菌で免疫力を高めてくれているという話をしました。

そして、彼ら細菌と仲良くするには具体的に以下の3つのこと

  1. 普段の食事を見直す
  2. 適度な運動をする
  3. 友達を増やす

をやっていこうと書きました。

今回は、中でも手軽に改善できそうな食事について具体的に見ていきます。

前回同様、参考にしたのはこちらの本!

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シンバイオティクスで腸内細菌を元気に!

方法として、今注目されているのがシンバイオティクス。

シンバイオティクスとは、ただ単純に

  • プロバイオティクス:善玉菌などの有用菌
  • プレバイオティクス:腸内細菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維

の両方をバランスよく摂取することです。

プロバイオティクスとして、ヨーグルトなんかは聞いたことあるんじゃないでしょうか。

なんで両方なの?ってところですが、シン(syn)とは相乗効果の意味

発酵食品食べてるという方も多いですが、どちらかだけよりも両方摂取することでより効果を発揮するよ~ってことで、最近は、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方入ったシンバイオティクス食品なんかも販売されています。(単純に、オリゴ糖入りヨーグルトとか)

では、プロバイオティクスとプレバイオティクスについて、具体的にはどんなものをいうのか、摂取することでどんな効果があるのかをそれぞれみていきましょう。

プロバイオティクスとは?

さっきはプロバイオティクスのことを有用菌と書きましたが、具体的にどんな菌かというと定義はあいまいです。

世界保健機関でも、「適切な量を摂取すれば体によい微生物」とされています。

というのも、どの菌を体に摂取すればいいかはまだ研究段階。人によっても変わるため、これが良さそう?というのはあっても、いまいちよく分かっていないのです。

じゃあ、どんな働きをするの?ってところですが、

プロバイオティクスとは、腸内細菌の常在菌とは違い、腸には長く留まらず通過します

例えば、ヨーグルト。

ヨーグルトの乳酸菌は生きたままやってくるものもいれば、途中で死滅したりします。どちらにせよ、腸までやってきても乳糖などの自分が好むエサが少ないため、そのまま死滅したり流れていってしまうのです。

え?通過すんの?じゃあ意味ないじゃん!

と思われるかもしれません。

でも実は、それら通過してしまう有用菌は消化管を通る際に常在菌や腸細胞と情報交換をし、風邪やインフル、下痢、感染症などを予防していることが分かっています。

具体的にどんなことをするかというと、この通り。

  • より危険な菌のダミーとなり、免疫細胞を準備させる
  • 腸壁を強化し粘膜層を厚くすることで、侵入者を防ぐ
  • 腸細胞にデフィシンをつくらせ、体外から入る細菌・ウィルスから守る

といった感じで、もし免疫系を軍隊、腸内細菌たちを国境を守る陸上や海上自衛隊とするなら、プロバイオティクスは国の外からやってくる国連平和維持軍のような役割をしています。

とはいえ、さっきも書いたように、プロバイオティクスはまだまだ未知の世界。

ヨーグルト会社がさも効果ありますみたいに広告したり、研究結果を出したりしていますが、どの研究も少人数を対象にしていて再現性も信頼性もありません

有用菌サプリなんかも出ているそうですが、今のところ規制がなく、企業はその効果を証明せずとも販売できちゃうそうなんで、気をつけてください。

え!じゃあ、何食べたらいいのー?!

って分からなくなってきました?安心してください。

基本的に発酵食品などの食事から食べるだけで十分です。

「はっ酵乳」と表示されているヨーグルトやチーズなどの乳製品、味噌、納豆、漬け物、キムチ。その他、発酵バターやテンペ、ザワークラウト、ピクルス、発酵茶(コンブチャ)などが最近の流行りですね。

*加熱や調理によって細菌は減ります

でも大事なのは、多様性。

発酵食品でもいろいろ食べてみること。また、ヨーグルトなんかでも毎回異なるメーカーのものを食べるようにすると良いでしょう

プレバイオティクスとは?

プレバイオティクスとは、食品に含まれる化合物のことで腸内細菌の餌となり、大腸の善玉菌を増やしてくれます。

あまりプレバイオティクスを意識していない方も多いのですが、これを摂取するのはけっこう大事です。

なんでかというと、実は腸内細菌たちはエサがなかったら、腸壁の粘膜層を食べ始めてしまうから!(なんてこったー!)

これにより炎症が起き、様々な病気につながります。

逆にエサがある場合、

  1. 腸内細菌は短鎖脂肪酸をつくる
  2. 腸がTレグ細胞(免疫細胞の一種)を増やすのを助ける
  3. 大腸炎、自己免疫、アレルギーなどの炎症疾患を治す

というシステムになっていて、間接的に免疫力を高める役割をします。

では、何を食べればよいのか気になるところですよね。

専門用語では「腸内細菌群が食べる炭水化物」ということで「MAC(Microbiota Accessible Carbohydrates)」と呼ばれています。

マックって、あの高カロリーなハンバーガーではないですよ(笑)

ざっくりいうと、

  • オリゴ糖や糖アルコール
  • 水溶性食物繊維
  • 乳清発酵物

なんかですね。

ちょっと分かりづらいですが、野菜やフルーツ、穀物などから低GI高マックのものを選んで食べると良いです。

例えば、

  • 野菜:玉ねぎ(イヌリン)、きのこ(マンナン)
  • フルーツ:バナナ(オリゴ糖)、りんご(ペクチン)
  • 穀物:小麦ブラン(アラビノキシラン)

が挙げられます。

食物繊維でいうと、1日あたりの推奨摂取量は

  • 男性:38g
  • 女性:25g(妊娠期間中は28~29g)

です。

ちなみに、私と旦那はフラクトオリゴ糖や、水溶性食物繊維の多いオオバコなんかを食べるようにします。また、料理なんかでは砂糖を使わずはちみつで甘みづけ。

是非、お試しあれ。

まとめ

長々書きましたが、いかがだったでしょうか。

ざっくりまとめると、免疫力を高めるには

  • プロバイオティクスとプレバイオティクスをバランスよく摂取!
  • いろんな発酵食品を毎日少しずつ食べよう
  • 水溶性食物繊維やオリゴ糖を意識して食べよう

ってことです。

あとは、一般にいわれているとおり、加工食品を減らしたり、精製された砂糖や赤身肉、飽和脂肪酸とかに注意して食事したら大丈夫かと思います。

合わせてポリフェノールの多い、ベリー類、ダークチョコレートなんか食べるのも良いですね!

今回ご紹介した本には、他にも

  • 帝王切開で生まれた赤ちゃん
  • 無菌状態で育った子の話
  • 便移植で病気が治った話
  • 免疫力を高めるレシピ

など興味深いことがたくさん書かれてますんで、是非読んでみてください。

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